2022年8月 百合の花

  7月になると郷里の里山には山百合が咲いた。カサブランカのもととなったといわれる白い花である。遠くからもよく目立ち、良い匂いが漂った。子供の頃、この百合を5、6本折って、家に持ち帰ると「仏さまに飾ろうかね」と母に喜ばれた。墓地にもこの花が沢山咲いた。お墓参りのある8月まで咲いていてくれないかとよく思ったものだが、無理で、7月の終わりともなれば、もう花も終わってしまった。神奈川県の県花は確か、山百合だ。厚木の家の裏山にもこの花が咲く。折り採って家に持ち帰りたいところだが、さすがにためらわれ、そっとしておく。この花を庭にも咲かせたいと園芸店から球根を何回か取り寄せ植えてみたが、育たなかった。秋植えの球根をどうも冬の間に鼠が食べてしまうらしい。そこでいろんな種類の百合の球根を植えてみた。うまくいったのはカサブランカ、鬼百合、鹿子百合、ササユリなどである。花の咲く時期

が少しづつずれているのがありがたい。長い期間楽しめる。

 まず、ササユリ、咲くのは6月下旬ころからだろうか。あわいピンク色のはかない感じの花である。多年草なのだろうが、我が庭では、1年で消えてしまうので、前年の10月ころ球根を園芸店で購入し、植えている。

     ササユリ    

 次に咲くのがカサブランカ。今年は見事に咲いた。1年ごとに花数を一つずつ増やしていくと聞いたが、そんなこともないようである。確か、植えてから4年ほどと思うが、今年は8個も花を付け見事だった。下から順に咲き、先端の花が散るまでに2週間もかかり、長く楽しめた。

カサブランカ

 7月中旬には鬼百合が、それが終わるころには鹿子百合咲いた。どちらもいつ頃植え

鬼百合

鹿子百合

たのか定かでないが、勝手に増えて、庭のあちこちに咲く。お隣さんにも切り花としておすそ分けした。  

 最後に咲くのが、タカサゴユリ、これは植えた覚えもないが、いつのころから咲くようになった。8月初旬から、中旬の今が盛りである。厚木の土に合うようで、散歩するとどこの庭にも、そして道端の雑草に交じって咲いている。種が飛び、自然繁殖するようだ。

タカサゴユリ

各葉の付け根に小さな茶色の粒が付き、これが大きくなり、自然落下して、増えていくのだろう。百合が終わるとしばらく、庭には花がなくなる。そして間もなく、萩、酔芙蓉、金木犀などの咲く季節になる。