2020年2月 早春

2020年2月 早春 どこからか聞こえ来る歌早春賦 祐一 2月は私のもっとも好きな月である.もう異変ではなく暖冬が常になったとはいえ,未だ,朝晩の寒さは厳しい.しかし,おかげで夏とは異なり,足腰はしゃんとし爽快である.生まれ育った越後の2月はどんより…

2020年1月 豊田佐吉の夢:電動飛行機

2020年1月 豊田佐吉の夢:電動飛行機 トヨタ自動車の祖,豊田佐吉は1925年,世界一周可能な飛行機用電池として「100馬力(英国馬力HPなら74.6 kW)で36時間連続運転可能で,かつ重量60貫(225 kg), 容積10立法尺(278 ℓ)を超えないもので,工業的に実施できるも…

2019年12月 ベルリンの壁の破片

2019年12月 ベルリンの壁の破片 ベルリンの壁の崩壊から30年,その節目にあたる去る11月9日,ベルリンをはじめとするドイツ各地で記念式典が行われたと報じられた. ところで私の手元に,このベルリンの壁の破片がある.12センチメートル×6センチメートルく…

2019年11月 化学者の資質について かなり以前のことになるが,和田昭允著「物理学は越境する」(岩波書店)を読み,感銘を受けたことがある.著者は東京大学理学部化学科出身で触媒化学を研究されたのち,わが国の生物物理学創始者の一人として,同大学物理学…

2019年10月 リチウムイオン電池開発あれこれ

今年度のノーベル化学賞は周知のようにリチウムイオン電池の開発に寄与したニューヨーク州立大学のマイケル・スタンリー・ウイッテンガム卓越教授,テキサス州立大学のジョン・グッドイナフ教授,旭化成の吉野彰名誉フェローの3氏に与えられた.もしこのリチウ…

2019年 9月 夏の旅

2019年9月 夏の旅 暑かった今夏もあと少しの辛抱で涼しくなることであろう.その8月から9月にかけて4回,遠出の旅をした.それらの概略をこれから述べる.その1. お墓参り8月3, 4, 5日とお墓参りのため帰省した.行先は新潟県小千谷市片貝町,ここに先祖代々…

2019年8月 傘寿

去る7月,80歳になった.傘寿(さんじゅ)ともいい,おめでたいことなのだそうな.とうに過ぎた70歳は古希,杜甫の詩,人生七十古来希なりに由来し,長寿を祝う語という.昔は70歳で希なら,80歳はもっと希なことでおめでたかったのであろう.しかし,男性の平…

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2019年7月 私の学位論文 その2

2019年7月 私の学位論文(その2) アセトニトリルは沸点82℃で水を吸収しやすく,かつ気化しやすい液体で毒性があるため取り扱いに十分注意すること.試薬特級でもかなりの水を含んでいるので蒸留を何回も繰り返すことなど親切にいろいろご指導をいただいた.…

2019年6月 私の学位論文

2019年6月 私の学位論文 今から56年ほど前,修士課程(博士前期課程) 2年の頃,父に博士課程に進学したい希望を告げ,ようやく了解を得た.その旨,指導教官の田中信行先生(東北大学理学部化学科教授) に恐る恐る申し出ると先生から「助手にならないか」と言…

2019年5月 烏との攻防

2019年5月 烏との攻防 ごみ漁る烏を叱る冬の朝 祐 この数年,烏に悩まされている.我が家の地区の生ごみの収集は毎週,火曜日と土曜日である.この日の朝,あるいは不心得ものは前日の夜のうちにビニール袋等に入れた生ごみを定められた場所に出しておく.そ…

2019年4月 俳句講座

2019年4月 俳句講座 昨年夏より俳句を始めたことは前に述べたが1), 一人よがりでは上達しないと考え,去る10月から神奈川大学生涯学習・エクステンション講座「入門俳句実践講座・新初歩の初歩」を受講している.講師は本学名誉教授・復本一郎先生である.先生…

2019年3月 大学入試の頃

2019年3月 大学入試の頃 受験シーズンもほぼ終わった. サクラサク六十年も前のこと 祐 この句の意味が分かるのはかなり年配の方であろう.「サクラサク」は大学入学試験の合格を受験生に知らせる電報文である.不幸にして不合格の場合は「サクラチル」であ…

2019年2月 東京片貝会・母校を励ます会

2019年2月 東京片貝会・母校を励ます会 関東地方には多くの県人会や郷里出身者の親睦団体がある.私の出身地新潟県小千谷(おじや)市片貝町 (2004年の中越地震の震源地に近く,四尺玉で有名な花火気違いの町である) にも東京片貝会(会員約350名)があり,今年,…

2019年1月 調査しました

2019年1月 調査しました 新年早々,老人の小言で申し訳ないが,まあ聞いてください.ここ,数年気になっていたが,昨年秋の学会に出席,その想いを一層強くした.発表者が頻繁に「・・・・・について調査しました」と発言するのである.私なら状況に応じて「…

2018年12月 植物の発信する情報について

2018年12月 植物の発信する情報について オジギソウや食虫植物ハエジゴクがわずかな振動や軽い接触によって葉を閉じることはよく知られている.娘が小学生のころ夏休みの自由研究でこれを取り上げ,何やら実験をやったことがあったが詳細は忘れてしまった.…

2018年11月 錆(さび)の話

2018年11月 錆(さび)の話 最近,ジョナサン・ウオルドマン著「錆と人間」((築地書館) を読んだ.そこには自由の女神像の腐食防食対策の歴史,缶詰の科学,パイプラインと錆・錆探知ロボット,錆びない鉄・ステンレスの発明等々,人間と錆との壮大な戦いの物語が…

2018年10月 俳句

2018年10月 俳句 定年退職後,いつの間にやら9年目も半ばを過ぎてしまった.最近は外出の機会も減り,散歩だけでは呆けてしまう,何か集中できるものがないかと暗中模索していたが,ふと思いつき7月ころから俳句を作り始めた. 以下に駄句をいくつか列挙する…

2018年9月 いい組悪い組

2018年9月 いい組,悪い組 テレビで時代劇や推理劇,アクションもの等を見ていると妻は途中で何回か,あの人はいい (良い)組,それとも悪い組?と聞く.話の筋が込み入ってきたり登場人物の人数が多くなると追いついていけなくなり,この質問を私にするので…

2018年8月 七夕飾り

2018年8月 七夕飾り 去る7月初旬,妻を通して聞いた高校生の孫娘の話である.クラスで七夕飾りを作ろうということになったら担任の先生が花屋さんからポケットマネーで笹竹を購入してくれた.5000円もしたとか.ふとこれを思い出し,ちょうど土曜日だった7日…

2018年7月 エッグスタンド(卵立て)

2018年7月 エッグスタンド(卵立て) 数日前,楽しみにしていた有田焼のエッグスタンドが,製作を依頼していた窯元の中島陶芸からようやく届いた.私のは白地にツユクサ,妻のにはアザミが鮮やかに描かれている.これに半熟卵を立て,上面の殻を割って取り除き…

2018年6月 雨降りの日に

2018年6月 雨降りの日に 梅雨に入って間もないある日の午後,外出から戻る途中雨がぽつぽつ降りだした.マンションの玄関に入ろうとしたとき,向こうからランドセルを背負った小学1年生くらいの男の子がやってきた.手にはこうもり傘を抱えていたがさしては…

2018年5月 シジュウカラの巣立ち

2018年5月 シジュウカラの巣立ち 長年にわたって厚木の家の庭の梅の木に巣箱が取り付けてきた.昨年までのものは孫の男の子が小学4年生頃の夏休みの宿題に作ったもので,7, 8年間,毎年シジュウカラが春になると出入りし,巣作りをしてきた.しかし,ついに…

2018年4月 第二ボタン

2018年4月 第二ボタン 去る3月初旬のある晩,埼玉に住む中3の孫から電話がかかってきた.「じいちゃん,今度の木曜日空いている?僕の卒業式なんだけど,お父さんが仕事で忙しいので代わりに出席してもらえないかな」こちらは暇だから,即座に「ああ,いいよ…

2018年3月 昨今のラジオ体操風景

2018年3月 昨今のラジオ体操風景 定年退職を機に近くの公園で永年にわたって行われていたラジオ体操に参加してから,間もなく8年になる.その当時の参加者は20名前後だったが,最近は30名前後にまで増えた.それだけ,老人の間に健康志向者が増えたというこ…

2018年2月 ささやかなよろこびと楽しみ

子供のころ,母が弁当のおかずがないとき,ときどき作ってくれたのがごはんと海苔と鰹節が交互に重なり醤油味のついた弁当だった.海苔弁当といったか鰹節弁当といったか,名称は忘れてしまったが,大好きな弁当だった.時々,この弁当を作ってとねだったも…

2018年1月 データを読み取る力

2018年1月 データを読み取る力 昨年12月初旬,胃がんの手術をした顛末は先月号に述べた.退院後2週間ほどして,手術の経過を伺いに病院へ行き,Y医師の説明を聞いた.手術前後の胃カメラ撮影による患部の映像を見せられた.手術前の写真で「ここが患部です」…

2017年12月 当たり年

2017年12月 当たり年 高校3年の時,蓄膿症の手術で1週間ほど入院して以来,60年間,幸運なことに手術も入院もすることなく過ごしてきたのに,この秋から2回もの手術とそれぞれ,7日間,9日間の入院生活を送るはめになった.以下にその顛末を述べよう.去る7…

2017年11月 散歩

2017年11月 散歩 定年後,外出の日以外はできるだけ歩くようにしている.週3, 4日になろうか,一日一万歩前後を目標にし,横浜市内を歩き回っている.デイジタルカメラを持ち歩き,気に入った場面があれば撮影している.外出の日も列車や地下鉄の乗り換え時…

2017年10月 5人の秘書

2017年10月 5人の秘書 私は定年前の4年間,工学部長を務めた.この間,5人の秘書の方々と一緒に仕事をした.その工学部長に就任して2年目の終わりから3年目にかけての約9か月のわずかな期間に5人の秘書が代わった顛末を述べよう.この時には全く往生した.5…