2024年4月 びっくりした体験

「記憶」の続きは後回しにして、今回は最近体験したことを述べよう。神奈川大学が実施している社会人向け講座の内、私はここ5年間ほど本学名誉教授の復本一郎先生が講師をされている俳句講座“基礎から中級へ”を受講している。毎年、年度末に受講生たちがその…

2024年3月 記憶その8

大屋敷の家に移って早速、友達ができた。近くの朝日屋さんという大きな大工さんの家の確か5男でT君といって一歳年下だった。寺町のころも何人かの友達と遊んだが、T君と初めて心の通う友達ができたような気がした。朝日屋さんは寺町の家を建てた大工さんでも…

204年2月 記憶 その7

浅田先生は好奇心の強い方だった。小学校は地山を切り崩した崖の際に東向きに建てられていた。地山を切り崩して校舎を建てる際に円筒型埴輪が出土したとか1)。校舎の後ろの崖にはようやく腰をかがめて入り込めるようなトンネルがくり抜かれていて、地下水が…

2024年1月 記憶 その6

5年、6年の担任は浅田シズ先生、当時25歳前後だったのではなかろうか。結婚され、途中から安井姓に変わられた。第二次大戦中は20歳前で女子挺身隊の一員として学徒動員され、当時の逓信省でモールス信号を打つのが仕事だったと伺ったことがある。この辺、記…

2003年12月 記憶 その5

これまで子供時代の遊び頰けた思い出ばかり述べてきた。でもこのことが私の人生をどれだけ豊かにしてくれたことか。子供は遊びが仕事である。そろそろ学校時代のことに話を進める。45年4月脇野町小学校に入学した時の先生を全く覚えていないことはすでに述べ…

2023年11月 記憶 その4

何十年も気が付かなかった俳句の顕額に気づいたのも78歳の頃から俳句を始めた影響であろう。毎日、2、3句を作ることを目標にしているが、駄句ばかり溜まっていく。最近嬉しかったことは、朝日俳壇に高山れおな選(朝日新聞10月29日付け)で下記の句が採られた…

2023年10月 記憶、その3

酒座川の上には両岸から栗の木、藤ノ木、その他の雑木が川を覆うように茂っていた。子供たちはそれらの木に登り、木の枝から枝へ渡り継いだり、藤の弦にぶら下がって、揺すっては対岸の木に乗り移って得意になっていた。ちょうどその頃はやっていた映画、「…

2023年9月 記憶 その2

片貝町は南北に伸びる県道に沿った約3kmほどの、北は来迎寺(越路町)、南は小千谷市につながる、いわゆる褌町で、この大通りに南の方から一之町から五之町までの町名が付けられている。両側に人家が並び、その東側の奥の方にはには清水町、町浦、屋敷などの…

2023年8月 記憶

「人生とは記憶であ る」とは大学時代の友人、K君の主張である。私も似たような考えであるが「人生とは思い出を作ることである」と思っている。思い出にも二種類あって、一つは無論自分自身の思い出であるが、もう一つは周囲の人たちがどのくらい、こちらの…

2023年7月 記憶の初め

記憶の初めは何歳くらいからなのだろうか。生まれたときのことを覚えているという人のことをどこかで読んだことがあるが、これは眉唾物として、私の場合は4歳くらいである。冬の夕方、私が何か親の言うことを聞かずごねていたのであろう。いきなり父が私を抱…

2023年6月 奇妙な風景

街を散歩していると見慣れた風景でもちょっと注意して見ると「おや?」と思われる不思議な光景に出会うことがある。そんな場面をいくつか紹介する。 その1 パチンコ屋の上が教会? 息子達は春日部市に住んでいる。そこに時々訪れる。前は車を利用していたが…

2023年5月 御座候と大福餅

御座候をご存じですか。中に小豆餡子の入った大判焼のことである。こちらが大判焼きと言っても京都育ちの息子の嫁さんは御座候の方が正しいと絶対に譲らない。ご存じの方も多いと思うが、横浜高島屋デパートの地下一階で“御座候”の暖簾を下げ、実演、販売し…

2023年4月 シンボルツリー

40数年前厚木に家を建てたとき、新築記念にと父が庭師を入れ、ささやかな庭を作ってくれた。そして、松、梅、ヤマモモ、白木蓮など数種の木も植えた。ヤマモモは男木だったので実がならなかったし、大きくなりすぎ隣家にも日影を作るようになったので切り倒…

2023年4月 マイナカード

皆さんはもうマイナポイントを獲得されましたか。政府が国民にマイナンバーカードを普及させるための愚策の一つである。よくまあ、このような複雑な仕組みを考え出すものだと感心する。マイナンバーカードは身分証明書になりますよ、健康保険証として使えま…

2023年2月 この頃のごみ拾いと、ラジオ体操風景

ごみ拾いとラジオ体操を初めてから間もなく13年になる。月並みの表現であるがあっという間である。ごみ拾いをするのは初めの頃は二人だったが、今は3人になった。ラジオ体操を行う公園や周辺の道路など守備範囲は広い。心強いことである。それぞれ、家を出る…

2023年1月 アルバイト

学生時代のアルバイトの経験は家庭教師のみである。小学生の男子、2名と 高校生、男子2名である。後者の二人は優秀な生徒で、東北大学と慶応大学にそれぞれ現役合格したから、責任を果たせたかなと思う。教えたのは数学だった。小学生の方は、寮の先輩が4年…

2022年12月 ものおじ

連日日本中を沸かせた今回のワールドサッカーボール世界選手権大会、もう言い尽くされた感があるが、日本チームの大活躍は暗いニュースが続く中、唯一の明るい話題だった。ところで日本チームの大躍進の原因は何だったのだろうか、多くの識者がその原因を述…

2022年11月 敬老パス

横浜市では長年にわたって70歳以上の老人に敬老パス(敬老特別乗車証)なるものが支給されている。市から連絡のあった対象者に、希望者は年収額に応じ、数千円を支払うと敬老パスが配布されるのである。このパスを提示すれば、市営地下鉄、市内を走る市営、及…

2022年10月 パルスオキシメーターの発明者

去る8月、新型コロナウイルスに感染した折、パルスオキシメーターには大変お世話になった。この装置は動脈血中の酸素飽和濃度(ヘモグロビンがどの程度酸素と結びついているか)を、採血なしで連続的に測定される装置で、具体的には右手親指先にクリップを挟む…

2022年9月 新型コロナウイルス罹患騒動記

新型コロナ予防ワクチンを4回接種し注意していがのに、去る8月中旬から下旬にかけ、ついに罹患してしまった。 8月17日 午後、大学1年の孫(男子)が帰省の途中、拙宅に立ち寄った。1階のマンションの入口まで迎えに行った。たった数か月の間にたくましくなった…

2022年8月 百合の花

7月になると郷里の里山には山百合が咲いた。カサブランカのもととなったといわれる白い花である。遠くからもよく目立ち、良い匂いが漂った。子供の頃、この百合を5、6本折って、家に持ち帰ると「仏さまに飾ろうかね」と母に喜ばれた。墓地にもこの花が沢山咲…

2022年7月 命拾いをした話 その4

7月に入り急に天気予報に雷注意報が多くなった。遠くの雷鳴を聞いているときはいかにも夏らしい気分であるが、窓越しに稲光が見られるようになるとさすがに少し怖い。毎年、落雷で何人かの命が失われる。私は落雷ではないが感電でひやりとした思い出がある。…

20226月 梅の季節

6月は梅の季節である。去る6月11日、梅の実を採取した。庭には豊後梅と名前は知らないが、白梅の咲く2本の梅の木がある。家を建てたころ、小さな苗木を植えたのが、今では樹高4-5メートルの大木になった。樹齢も40年以上になる。不思議なことに生り年と生ら…

2022年5月 命拾いをした話 その3

学生時代のことである。当時所属した化学教室の廊下には薬品棚が数個並んでいた。木製の戸棚で全面はガラス窓、中の薬品瓶のラベルもよく見えた。今と違って、おおらかな時代だった。戸棚には鍵もかかっていなかった。ある時、興味本位に眺めていたら、シア…

2022年4月 命拾いをした話 その2

次は爆発事故の体験である。私の卒業研究テーマは「アコペンタアンミンクロム(III)錯イオン([Cr(H2O)(NH3)5]3+)の電極反応機構」だった。そのころ、先輩のEさんのヘキサアンミンクロム(III)錯イオン([Cr(NH3)6]3+)の電極反応機構の論文がNature誌に掲載さ…

2022年3月 命拾いをした話

80数歳まで生きてくると、あわやという場面にこれまで何回か遭遇したが、幸運に恵まれて今日まで来ることができた。これからそのような場面のいくつかを思い出すままに述べよう。 毎年、正月になると喉に餅を詰まらせ、救急車に運ばれ、運が悪ければ命を落と…

2022年2月 図書館

現役の頃は毎月本代として一万円ほど使っていた。本棚に入りきらない本が部屋中に溢れ、妻からは「地震で本棚が倒れ下敷きになっても知りませんよ」などと脅かされていた。定年を機に少し倹約し、どうしても欲しい本以外は図書館を利用しようと考えた。横浜…

2022年1月 日曜日の朝

現役時代、もっとものんびりできるのは土曜日の午前中だったが、退職後はいつの間にやら、それが日曜日の午前になり、週中最もテレビをゆっくりと長く見る時間帯になった。ラジオ体操から戻ると朝食の準備、食事は7時過ぎ、食器洗い等後片付けの終わるのが7…

2021年12月 死蔵される薬

私はもう10年以上、イコペント酸エチル(動脈硬化改善)、シロスタゾール(血管を拡張し、血流を増す)、バルタル酸(血圧降下)など、3種類の薬を朝晩飲んでいる。血圧はほぼ安定しているので、掛かりつけの医院に行くのは3ヵ月ごと、簡単な医師の問診のあと、同…

2021年11月 二人の監督

子供の頃は熱心な巨人フアンだったが、歳とともにプロ野球への興味が薄れ、昨今はチーム名もすべては言えず、選手名などもほとんど覚えていない。今年もMLBの大谷翔平選手の活躍だけに関心があった。プロ野球シーズンも終わったところでセリーグはヤクルト、…