20226月 梅の季節

 6月は梅の季節である。去る6月11日、梅の実を採取した。庭には豊後梅と名前は知らないが、白梅の咲く2本の梅の木がある。家を建てたころ、小さな苗木を植えたのが、今では樹高4-5メートルの大木になった。樹齢も40年以上になる。不思議なことに生り年と生らない年があって、今年は豊作の方であった。2本の木を合わせて10 kgほどあった。体重計で重量を測ろうとしたがビニール袋に入れた梅の陰に隠れて、目盛りが読めない。そこで、妻に体重計に載ってもらってから、梅入りの袋を持ってもらい、彼女の体重を差し引いた。体重は秘密である。この梅を三等分し、妹、娘にも分けてあげた。残りをどのように処理しようか。考えた末、煮梅、梅酒、梅ジュースにすることにした。まず、水に一晩漬けたのち、笊にあけて水をきり、表面を乾かした。一粒づつへたを取るのに時間がかかった。レシピには竹串を用いてとあるが、二、三個へたを取ると竹串の先がすぐグザグザになって使えなくなる。これではたまらないので何かないかと思案した末、バーベキュー用の鉄串を用いることにした。かなり時間を掛け、ようやくへたを取り終えた。

 まず、煮梅を作ることにした。ネットで見つけたレシピに従って、秤量した梅を鍋に入れ、表面を覆うまで水を入れ小さな炎のガスで熱した。しばらくすると梅の表面に小さな泡がつく。さらにガスの炎を小さくして10分間加熱したのち、表面に沢山浮いた泡を取り去るため流水で洗う。再び、水を入れて同じことを3回繰り返すとあるが、この辺から様子がおかしい。梅の皮が剥け果肉が飛び出したものもある。ほとんどすべての梅の皮が剥けてしまった。これでは煮梅どころではない。仕方がないのでジャムにすることにした。ビニール手袋をはめ、崩れた梅を一粒ずつ握りつぶしながら中の種を取り出し、皮と果肉だけにし、これに適当量の水と砂糖を加えて木のしゃもじでかき混ぜながら煮詰めた。程よい固さになったと判断し、火を止めた。ところが、冷えたらスプーンも刺さらないほどの固さになっていた。慌てて水を加え、もういちど柔らかかくしてようやく、見た目は良くないが、上品な酸味をおびた焦げ茶色の梅ジャムが出来上がった。

梅の皮が剥けてしまったのは、採取時期が少し早すぎて完熟する前で皮が弱かったのでないか、また、火が強すぎたためではないかと考えられる。翌日、別の木から採取した梅でもう一度挑戦した。上記の水煮を3回繰り返したのち、所定量のグラニュー糖を加え加熱したら、切腹したものも数個あったが、どうやら煮梅らしきものが出来上がった。

 梅酒、梅ジュースには作り方の上手、下手はない。熱湯でガラス瓶を消毒、乾燥後、レシピに従い、それぞれ所定量の材料を瓶に入れ、封をしたらあとはケセラセラ、1年後にどんな味のものが出来上がるか、楽しみである。