2015年9月 中学1年生の数学の問題

20159月 中学1年生の数学の問題
 
 夏休みのある日の午後,駿台中学生学力テストセンターのテストを受けてきた帰りという中学1年生の孫娘が,我が家に立ち寄った.そして「じいちゃん,この問題解ける?私,残念ながら解けなかった」と言って下記の問題を示した.  
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「どれどれ」と問題を見たが,すぐには解答が思いつかなかった.1時間くらい考えたがわからないので面倒くさくなって放っておいた.数日後,孫娘から電話がかかってきて「このあいだの問題解けた?兄ちゃん(高校1年生) に見せたら10分くらい考えてから解いたよ」と言った.孫に負けるのは悔しいから,娘に言って問題を改めて持ってこさせた.そして,2時間ほど考えてようやく解くことができた.
 
私の解答
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まず,2本の斜線の交点をOとし,線OA上にb に等しい点をBとし,AおよびBから正方形の底辺と並行になるよう線を引きO’, B’など図のように符号を入れる.点Oから1/2 BOB’となるよう底辺に向かって線を下ろし底辺に並行なAからの横線との交点をA’とすると∠AA’O’は直角である.したがって,ピタゴラスの定理により,線の長さ,AA’, O’B’ はそれぞれa /2, b /2となる.正方形の底辺の長さ= (AA’) + (O’B’)
∴ 正方形の面積 = (a /2 + b /2 )2 = (a+b)2 / 2      
 
問題を解いたところで,電話で高1の孫を呼び出し,口頭で私の解答を伝えた.そして,彼の解答を教えてもらった.以下にその内容を示す.続いて模範解答も示す.

(1) の解答
 まず,正方形に対角線を引き,交点をRとし,その他の符号もつける.
電話でのやり取りのため,上記(私の解答) と符号が一致していない.イメージ 3

AA’ = a +c, AP =PA’ = (a + c) / 2, OQ = CQ CO = 1/2 CB CO
= (b + c) /2c = (bc) / 2, TR = TP + PR = AP + OQ
= (a + c) /2 + (bc) / 2
= (a + b) /2, 対角線の長さ= 2 x TR = a + b
∴ 正方形の面積 = (対角線の長さ) x (対角線の長さ) x 1/2 = (a + b)2 / 2

模範解答イメージ 4
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模範解答は何やらごたごたして小難しい内容である.孫の解答はすっきりしているようであるが,見栄を張って「どうだ.じいちゃんのが一番スマートだろう」と彼に自慢したら,すかさず,「中1では未だピタゴラスの定理は習っていないから禁じ手だよ」と言われてしまった.孫は将棋の初段である.それにしても中学1年生にずいぶん難しい問題を与えるものである.難しい問題にしないと生徒間に有意差がつかないからなのだろうか.作問する方もそして,そんな問題を解かなければならない生徒の方も大変である.  
その昔,たぶん私が小学6年生か中学生のまだ一次方程式や未知数など習わないころ,父から鶴亀算や植木算の解法を教えてもらったのを思い出した.すっかり忘れており,残念ながら,今では未知数,x, yを使わないと解けない.解法を考えるのも億劫である.それにしても,そのころ多分40代後半だった父がよく鶴亀算の解法を覚えていたものだ.あるいは考えながら解法を私に教えたのだろうか.