2014年3月 ゴミを捨てる人々

20143月 ゴミを捨てる人々1)
 
 定年退職後近くの公園でラジオ体操を始めたが,ついでにゴミ拾いもするようになり1),早くも丸4年が過ぎてしまった.毎日行うよう心掛けているが,朝早く出掛けたり,旅行,体調不良その他でできない日もあり,平均すれば,週5-6日である.ついこの間まで家を出る550分から6時ころはまだ暗く夜の感じがしたが,今はもうすっかり明るくなり,体操中には朝日が昇り,マンション群を明るく照らしている.体操に参加する人は冬のもっとも寒い日々で6名だったが,最近は20名前後である.このうち,残念ながら,ゴミを拾うのは前にも述べたYさんと私だけ,昨秋まで妻も参加していたが,抗癌剤の後遺症で特に寒くなってからは足の裏が痛いとかで今は体操とともに休んでいる.早く暖かくなって,参加できるようにと願っている.前日,きれいに拾ったと思ったのに,ゴミは尽きることがない.犬の散歩をする人の中にはせっかく糞を拾ったのにそれを入れたビニール袋を植木の影などに捨てていく.中には粗大ゴミの処理費用をけちるためか,壊れた冷蔵庫や洋服ダンスなどを置き捨てていく人もいる.どんな神経の持ち主なのだろう.さすがにこんな大きなゴミは私の力では処理しきれないので放置しておくが,しばらくすると市の管理課の依頼か,無くなっていく.拾ったゴミは公園の隅の蓋に鍵付きの共同ゴミ箱に入れておく.そのゴミ箱管理は別の町内会であるが,わけを話して昨年から私も合鍵をいただいた.おかしなものでビニールのごみ袋がスカスカで拾ったごみの量が少ない日は,本来なら喜んでよいはずなのに何か物足りない感じがする.ちょうど魚釣りに行って釣果が少なかった時の感覚に似ているのである.
話は変わるが,私のマンションの前が高速道路の降り口になっており,出口に信号機がある.進行方向右側は横浜市管理の空き地になっている.境界は高さ50 cmくらいのコンクリート壁で囲まれており,建物もなく草原であるが,信号待ちの間にここにゴミを捨てる人が多い.先日,あまりひどくなったので掃除したら,毎朝大きなビニールのゴミ袋で2個づつ,5日間もかかった.紙屑,ビニール袋,弁当の空き箱,コーラ,ジュースの空き缶等などのほかにビールの空き缶が数十個もあったのには驚く.車はほとんど右ハンドルであるから,運転手は空き缶を捨てるために右側の窓を開けることになり,同乗者の飲酒も考えられるが,大部分は運転手による飲酒ではなかろうか.おそろしいことである.
あまり街の中のゴミ捨てが多いので,その対策の一つとして,小学生の子供たちにゴミ拾いの体験学習を導入してはどうかと考えている.毎月1回,街に出て子供たちがゴミを拾うのである.これを数年やればゴミ捨ては悪いことだと身に着くのではなかろうか.でも,いざ実施となれば母親の反対が多いだろうなとも思う.ばい菌が体内に入ったらどうしてくれますか,ガラスの破片で手を切り,そこから破傷風にでもなったらどうしてくれますか,交通事故にあったらどうするのですか云々.
昨秋訪れたメキシコのケレタロ市や中国の北京市でもゴミを捨てる人が多かった.しかし,制服を着た市の清掃員が多数いて,待ち構えていたように捨てられるゴミを片っ端から拾っていた.そのため,繁華街は横浜市の私が住んでいる地域よりはるかにきれいである.市では人々に雇用の機会を与えているのである.ゴミを捨てる人が無くなって多くの清掃員が失業するのとどちらが良いのかわからなくなってきた.
 
1)  201211月,12月のブログ参照.