2016年12月 大山登山

                                                 201612月 大山登山       
 
 去る1126日息子一家と大山に登った.大山は厚木の家から西の方に雄姿を見せている標高1252 mの山で丹沢連峰に連なっている.朝,昼,晩いつ見ても晴れ晴れする形の良い山である.ただ,電線が見事な風景を邪魔しているのが惜しまれる.今からほぼ40年前,日本住宅開発公団により,我が家のある,この鳶尾団地が造られたとき何故,電線を地下に埋めなかったのだろうかと今更ながら悔やまれる.予算に余裕がなかったのだろうし,まだ当時は景観もそれほど大切にされていなかったからかもしれない.余談だが,先日四国めぐりの旅行をした際,愛媛県内子町を見学した.そこは江戸時代の街並みが大切に保存されている.ツアーの案内人が「皆さん,何かく気づくことはありませんか」と問うたのですかさず,私が「電柱がありませんね」と言ったら「あたり!」と言われた.電柱は道の両側にあるそれぞれの家屋の後ろの方に沿って目立たないように建てられているのである.電柱のない町並みは実にすっきりしている.
東海道新幹線が新横浜を過ぎて間もなく,西の方に独立峰のように見えるのがこの山である.その昔,海からは良い目印になったという.雨降り山とも呼ばれ古くから山岳信仰の対象とされてきた.江戸時代には,大山に登ってお参りする「大山詣で」が庶民の間で盛んにおこなわれてきた.この山には息子が小学1年生の時,一緒に登ってから,もう4, 5回登っている.数年前には,娘の子供たち2人を,また,別の時には甥や姪たちを連れて登った.その頃は私も体力があったから下から登ったが,今回はちょっとずるして,私と息子の嫁さんはケーブルカーで途中の大山阿夫利神社下社まで行き,そこから頂上を目指すことにした.まず,厚木の家から,車で伊勢原経由で大山ケーブルバス停近くまで行き,駐車場に車を止めた.そこからこま参道の石段を登り,大山ケーブル駅まで行った.息子と孫2(中学2年男子と小学6年女子),飼っている犬はそのまま登りはじめ,私と嫁さんはケーブルカーで下社まで行った.下社のモミジが見事だった.そこで孫たちと落合い,10時半頃から山頂目指して登り始めた.案内版によれば頂上まで90分とあった.前日,かなりの雪が降り,頂上に近づくにつれ,登山道にも数cmの雪が残っていて滑りやすかった.中2の孫と5歳の中型犬はさすがに体力があり,疲れも知らぬげにドンドン先行した.天候は晴れ,それほど寒くはなく快適な登山日和だった.富士見平で富士山が見えるかと期待したが,曇っていて見えなかった.私が最後,それでも予定より数分遅れただけで12時過ぎには頂上に着いた.遠く,江の島の方まで見えた.昼食のおにぎりがおいしかった.普段,昼食はほとんど食べないが,この時はあっという間におにぎり2個を平らげてしまった.下りの際は富士見平から雪を抱いた鮮やかな富士山が見えた.登りはそれほどでもなかったが下りはつらかった.特に落差の大きいところを降りる時が怖かった.雪道のところは慎重に歩いたがそれでもよく滑った.下社に近い石段のところにたどり着いたときはこれで無事帰れたとホッとした.明日はさぞ足腰が痛いだろうと懸念した.駐車場までの途中に酒屋があった.ここで“天神の酒・大山”という厚木市七沢の黄金井酒造の無濾過・生原酒とかいう新酒が売っていたので今晩の楽しみにと購入した.アルコール分19 %の香りのよい酒だった.翌朝2階から階段を降りる時,ちょっと膝が痛かったが,あとはそれほどでもなかったので一安心し,体力の自信が付いた.また,登る機会があるだろうか.