子供の四季  四月

子供の季節 4
  泥棒巡査
 男の子数人が集まった時、季節にかかわりなくよく行った。じゃんけんかその日の気分で2組に分かれ、一方が巡査組、他方が泥棒組になった。奇数のときは巡査の数が多くなるように別れたように思う。開始の合図で、泥棒はどこかに逃げたり、隠れたりする。数分後、巡査は1人で、あるいは組んで、泥棒を探しに出かける。隠れていた泥棒を見つけると追いかけ、時には取っ組み合いをし、巡査は何とか泥棒をつかまえると電信柱や大きな木の幹に荒縄でしばりつけた。同時に逃げられないように両手を後ろ手できつくしばった。逃げられないように番人の巡査をおいて、他の巡査は残りの泥棒を捕まえに行く。泥棒の方も巡査に見つからないように組んで捕まって電柱に縛られている同僚を奪い返しに来る。捕まえたり、逃げられたりで1-2時間がたち、すべての泥棒が捕まえられるとこのゲームは終わりになった。当時の遊び仲間は年下、年上と上下に年齢がばらついていたから、年長者が多くなって巡査組が強すぎるとすぐ泥棒組が捕まってしまい面白くないし、逆に泥棒組が強すぎるといつまでもゲームは終わらない。この辺の組み分けの案分がガキ大将であるリーダーの裁量だった。手足やときには顔に擦り傷や切り傷を作ったこともある荒っぽい遊びだったが、ずいぶん夢中になって遊んだものである。いつまでたっても泥棒が捕まらず、夕暮れになってしまうときは流れ解散のように子どもたちは家に帰って誰もいなくなった。