2015年2月 雪晴れの日に





20152月 雪晴れの日に

 去る1月中旬,数日間帰省した.ある1日,あまり天気が良かったので自宅の近くの里山を散歩した.雪道にそって歩くのもつまらないので雪野原や雑木林を歩くこととした,スキーがあればよいのだがこれはもう何年も前に処分したのでかんじきを履くことにし,物置に何十年も眠っていたのを取り出した.未だ,縄紐もしっかりしていたのでこれを肩にかけて雪道を歩き,人家の途絶えたところから,雪野原に漕ぎ出すべく長靴にこのかんじきを履こうとしたがすっかり履き方を忘れていた.何回か試行錯誤の末ようやく履くことができた.恐る恐る雪原に一歩踏み出すと,15 cm位もぐったがそれ以上は沈まない.少し蟹股にして一歩一歩歩くとようやく昔の感触を思い出した.  

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 大雪の朝,玄関から通りに出るまでの数mを,当時父は単身赴任中であったから、母がよく道付けをした.小学5, 6年生ころから朝の道付けは私の仕事になった。
斜面になった雑木林を登り広い雪野原に出た.山土採取のため今はすっかり平地になってしまったが,かってこの辺りは松阪と言って山だった.たった1回だけだったが秋、小さな松茸を採ったのを覚えている.ウサギの足跡があった.未だ,かなり鮮明なのや数日前に付けられたものなど入り混じっていた.下の写真の足跡はどちらに向かって走っているでしょうか.ウサギはいないかなとあちこち見まわしたが見つからなかった.
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   子供のころ、スキーを付けてウサギを追いかけ、この辺を歩き回ったことを思い出す.すばしこい彼らが子供たちに捕まるはずもなかったが.かんじきで500- 600m歩くのに30分もかかって汗だくになった.今はスノーシューと言ってスキーを短くしたような雪山散策用の快適な器具が市販されている.購入しようかどうか思案中である.春はまだ遠く,雑木の芽は堅かった.アカメガシワの木肌が赤く鮮やかだった.空は青く,ところどころに白雲が流れ,東の方には母校の校歌にも謳われている,雪を抱いた金倉山(500m) が,その南の方には白く輝く越後三山が見えた.魚沼三山とも言い,左から右()に向かって駒ヶ岳(2003m),中ノ岳(2085m),八海山
(1778m)である.
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遠い昔になってしまったが,学生の頃一人で駒ヶ岳に登ったことがあった.山の様子などもうすっかり記憶も薄れてしまったが,途中に露天の温泉があって若い女性が一人で入っていたのだけは覚えている.子供のころ,普段はほとんど見向きもしなかったが,晩秋になると晴れた日には白く輝くこの越後三山がよく見えた.あの山々の向こうには未だ見たこともないどんな世界が開けているのだろうかとよく想像したものである.