2023年4月 マイナカード

  皆さんはもうマイナポイントを獲得されましたか。政府が国民にマイナンバーカードを普及させるための愚策の一つである。よくまあ、このような複雑な仕組みを考え出すものだと感心する。マイナンバーカードは身分証明書になりますよ、健康保険証として使えますよ、確定申告は税務署に赴かなくてもリモートでE-Taxシステムを使えますよと政府は必死にその利便性を国民にPRし、加入させようとしている。その誘い水として、マイナンバーカードを獲得したら、15,000円、もしくは20,000円分のポイントを支給するというのである。何故、以前支給したように個人の預金通帳に入金してくれないのだろう。お金が活用されないまま死蔵されるというのだろうか。ポイントにすれば現金化できないから買い物等に利用され、経済が活性化するということだろうか。   

 私はこのポイント獲得のため、2月下旬の数日間、翻弄された。すでに数年前、マイナンバーカードは取得し、確定申告はE-Taxを利用しているので、区役所に出向かなくても容易にインターネットでポイントを得られるものと考えていた。ポイントを得るためには、汎用するカードが必要である。まず、Suicaにポイントを付加してもらおうと考えた。ところが作業を進めると暗証番号を要求された。お忘れの方はお問い合わせをというので、そのボタンをクリックしても応答してくれなかった。コンピューターやスマホを自由に使いこなしている息子の嫁さんに頼んでやってもらったがやはりだめ。次によく使うmajicaカードでやってみたがやはりうまくいかなかった。中区役所の窓口案内をネットで探ってみたら、「今大変込み合っていますので、長時間お待ちいただくかもしれません」と表示された。もういいやとあきらめていたら、体操仲間のTさん(女性)が「朝一番で区役所に行けばそんなに待たずに手続きをやってくれますよ。受け付けは8時45分から、7階の窓口です」と教えてくれた。そこで早速、翌朝区役所に赴き受付番号1番を入手した。対応してくれた70歳代の男性は数分で健康保険利用可能な手続きをしてくれた。ポイントを付加するカードの選定に迷っていると言うと近くにマイバスケットがあるから、そこでWaonカードを購入してはどうですかとマイバスケットの位置を教えてくれた。マイバスケットは自宅の近くにもあり、頻繁に牛乳、パン等の購入に利用するのでこれに決めた。1枚300円、妻の分と2枚を購入し、また窓口に戻ると早速このカードへのポイント付加の作業をしてくれながら、「これも安倍政権の置き土産ですよ」と散々悪口を言っていた。4日後に実際にポイントが付加され、使うことができるようになりますと教わりその日は帰宅した。Waonカードへのポイント付加作業はネットでもできるらしいが、またいろいろ迷うのはこりごりなので、その作業ができるイオン本牧店までバスで行って、店員に手続きしてもらい、ようやく15,000円分のポイントが入手できた。さらに20,000円を現金で前払いすれば、5,000円がプラスされ、計20,000円分のポイントが付くがばかばかしいのでやめた。私の前に80代の男性がいて、ポイント入手から利用の仕方までいろいろ説明を受けていたが、理解できないと見えて何回も同じようなことを質問していた。応対していた女性は困り果てていたが、それでも辛抱強く説明していた。このために10分位待たされた。今、日本国中でこのようなことが起こっているのではあるまいか。亡くなった母は銀行で預金を下ろすとき、行員に「そこに自動でお金を下ろせる機械がありますよ」と教えられても、「時間はたっぷりありますから」と順番を待って窓口で現金を受け取っていた。今もこのようなシステムは残っているのだろうか。それとも強制的にATMのところに案内されるのだろうか。もし、ポイントが使われないまま残っていたら、それに対応するお金はどこに行くのだろうか。カード取扱い会社か、政府かととりとめのないことを考えている。