2020年12月  お寺巡り

 今年の初め,横浜市営地下鉄ブルーラインセンター南駅で下車,都筑 (つづき) 区のあちこちを散歩した折,あるお寺(名前を失念)をお参りした際,そこに“都筑区・寺院グリーンマップ”と題したパンフレットがおいてあった.区仏マップ作成委員会と都筑区仏教界会が作成したもので,地図に区内のお寺の位置が記され,各お寺の写真とその寺の簡単な由緒等が印刷されていた.これで一年間楽しめる,いいものを入手したと喜んだ.区内に32ものお寺が存在するとはと驚いた.あとで分かったが,地図には記載されていないお寺も1-2寺あった.各お寺がどのくらい檀家を持っているかわからないが,隣接する墓地のお墓の数から推定して,1寺100軒として,3200軒,当時は大家族だったであろうから6人家族として2万人近くの人々がいくつかの集落に分かれて生活していたのであろう.豊かな田園地帯だったのである.戦後都市開発が進み,今はもう高層住宅や商業施設の立ち並ぶ大都会であるが,街並みを外れると未だ当時をしのばせる田畠や里山がある.区民の平均年齢は40歳にも満たないという若い街なのである.これではお寺も維持管理が大変なことであろう.

 マップによれば,お寺の宗派は高野山真言宗,浄土宗,浄土真宗本願寺派日蓮宗臨済宗円覚寺阿派,曹洞宗真言宗豊山派真言宗大谷派とさまざまである.最も古い寺は観音寺で開創年は貞観時代(平安時代前期,859〜876)である.その他の開創年は,鎌倉時代室町時代,江戸時代におよび,最も新しいのは平成8年(1896)の慈恩寺である(写真).アルファベットで「JIONJI」とも表記されており,よくレストランと間違われるという.

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          慈恩寺 開創年:平成8年(1996)

 毎週,1〜2日,晴れた日を選んでこれらの寺を巡り歩くことにした.市営地下鉄のブルーライン,グリーンを利用し,最寄りの駅で下車,一回の散歩で3-4寺を訪れた.帰りはバスで新横浜駅まで戻ることもあった.万歩計の歩数は1万から1.5万,ときには2万歩になることもあった.お賽銭は小銭の持ち合わせの都合で10円だったり,100円だったり,無しのこともあった.途中で神社にめぐり合わせたときはこちらにも参拝した.神社の数の方が寺の数よりはるかに少ないのは何故だろうか.手入れが行き届かず荒れ果てた社もいくつかあった.お寺と神社では信者の数が大きく隔たっているためであろう.あるいは神社の方が古くからの縛りが少ないためであろうか.収入の差なのである.  

 簡単な地図のため,お寺が見つからずあちこちうろうろすることもあったが,慣れてくるとあのあたりにお寺がありそうだと見当がつくようになった.遠くから眺めると森が見えたり,高台だったり,そんなところに目指す寺があった.コロナ禍真っ盛りで暑い7月,8月はさすがパスしたが,それでも何回か通ううち,9月末には32寺を回りつくしてしまった.心行寺の説明に「深山渓谷の趣があるお寺.紅葉の秋は素晴らしい彩りを見せてくれる」とあったのを思い出し,去る11月下旬,妻を連れ出し再訪した.紅葉は終わりかけていたが,それでも見事だった.すぐ近くに高層マンションがあったり,大学があったり,そんな中にこのお寺はあった.

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   心行寺 (開創年:慶長元年(1596)) の紅葉,黒い人影は階段を登るのをさぼった妻

 来年はどうしようか.かって,戸塚は宿場町として賑わい,神社,仏閣も多いようだ.そちらにしようか,思案中である.