2020年7月 マイナンバーカード

 マイナンバー制度が始まって4年が過ぎた.この間,登録された皆さんはどのくらい,マイナンバーカードを使用されたであろうか.また,おそらく未だ未登録の方も多いのではないか.私は,年1回,確定申告をe‐タックスで行う時使用するだけである.身分証明が必要の場合は自動車運転免許証で済ませてきた.

誕生日の3か月前の去る4月,今度の誕生日で有効期限が切れるから更新手続きをするようにとの通知が届いた.一方,私より約1ヵ月誕生日の早い妻のところには3月ころ同様の通知書が届いた.妻は早速更新手続きをしようとしたが,肝心のカードが見つからない.4年間,1回も使用したことがなく,どこかに紛れ込んだのであろう,あちこち探したがとうとう見つからなかった.中区役所に問い合わせたところ,再交付の手続きをしてほしいとのことだった.妻一人では心もとないので区役所に付き添って行った.その前にまず近くのコンビニで身分証明用の写真を撮った.身分証明用として健康保険証と車の運転免許証も用意するようにとのことだったが,後者はすでに返納しているのでパスポートを用意した.書類に必要事項を記入してその日は引き上げた.後日連絡するから,あらかじめ電話またはe-メールで受け取り日を予約してから受け取りに来るようにとのことだった.数週間後,また,区役所に行きようやく,妻はマイナンバーカードを再発行してもらった.虫の居所が悪かったから,窓口で,全くこれまで使用しなかったのに何でこんなに時間と手間・暇をかけるのかと皮肉を言ったが,「数年たてば住所変更等する人もありますから」と窓口の担当者の歯切れは悪かった.

さて,私の場合である.上記と同じように中区役所に行けばすぐ新カードが交付されるのではなく,予約が必要だった.早速,送付書に記載のフリー・ダイヤルでカード交付日と予約時間を伝え,カード,通知書を持参して,新カードを受け取った.腹が立ったのはこれからである.去る7月初め,電子証明書の有効期限通知書なるものが送られてきた.有効期限は2020年の誕生日までであるから,マイナンバーカードと本通知書を持参のうえ,お住いの市町村役場の窓口で更新手続きをするようにとの記載があった.通知書の差出先は総務省地方公共団体情報システム機構(J-LIS)だった.もう更新手続きも終わっているから放っておこうかと思ったが,お問い合わせ・マイナンバー総合フリーダイアルが記載してあったので電話してみた.電話相手は多分下請けで,すでに受け取っていると話しても要領を得ず,お住いの区役所の方に問い合わせてくださいの一点張り.よく見ると上記の通知書の右上に小さく中区戸籍課登録担当,電話:・・・・とあったので,電話してみた.「自分はすでに4月に新カードを受け取っているのに,また有効期限通知書が送られてきた.どうなっているのですか」と言ったところ,「そちらに届いた通知書は総務省が送付したものです.あなたはすでに発行済みですから再度こちらにお出でくださる必要はありません」と担当は言った.「多分,このような無駄な通知書が多く送付されているのでしょうね.どうして,横浜市の方から,総務省に発行済みの人を知らせないのですか」と言ってみたが暖簾に腕押し.要領を得なかった.要するに総務省横浜市没交渉,縦割りで業務が行われており,それぞれの担当者は言われた最低限の自分の役割を忠実に一所懸命実施しているのである.昨今,メール,LINE等の普及で郵便取扱量が激減しているので,その援護射撃かと下種の勘繰りをしたくなる.このような壮大な税金の無駄遣いはいろんなところで行われているのでないか.

最近の最たるものは“アベノマスク”である.緊急事態宣言が解除されてから届いたところも多い.7月18日付け朝日新聞によれば,「アベノマスク」を使っていますか,というアンケートで実に「はい」が5%,「いいえ」が95%だった.おかげさまで,貧乏性の私はこれをすでに何回か洗濯し,愛用している.ただし,これは外出時の世間に対する免罪符としてである.私も感染防止にきょうりょくし,自信でも防御していますよというポーズである.私は布製のマスクを全く信用していない.だって,電子顕微鏡でようやく見える0.1マイクロメートルオーダーの新コロナウイルス菌は布製マスクの穴に対しては笊(ざる)を通る水のように容易であろう.せいぜい,くしゃみの際のつば飛沫が防げるか,あるいはコロナ菌が布繊維の表面に吸着してわずかに取り除かれる程度であろう.あまり無駄口をたたいていると罰があたり,感染するかもしれないのでこの辺でやめる.

ところで,総務省マイナンバーカードの普及と存在価値を高めることに必死である.その一環として「マイナムポイント事業」なるものが始まるとのことである.2020年9月から2021年3月末までの約半年間,キャッシュレス決済事業者の決済サービスを利用(チャージや購入)した際に、利用額に応じて、次回の買い物等に利用できるポイントが決済事業者から消費者にポイント付与される仕組みでポイント付与率はチャージ額または購入額の25%、上限5000円分ということが決まっている.付与を受けるにあたっては,“マイキーID”を作成する必要があり,その際にマイナンバーカードICチップの身分証明機能が活用される予定とのこと,早速,インターネットでその申込手続きを行おうとしたが,うまくいかない.マイキーID作成・登録準備ソフトが必要であるからこれをインストールするようにとの指示が出た.指示通りにやっては見たが,×印が出る.その場合はプラウザで“ツール”を選択し,表示された一覧から“アクテイブフィルター”を押し,チェックを外すようにと指示が出た.もう,キーワードの意味すら分からずお手上げである.幸い,サービス開始までに少し時間があるから何とかクリヤーしたい.それにしても今後,ますます情報難民が増え,利益を受ける人と受けない人の格差が広がっていくことであろう.ぼんやり歳などとってはいられない.