2017年4月 バンコクに旅して


2017
4月 バンコクへの旅
 
 3月中旬,タイのバンコク1週間ほど旅行をした.材料に関する500人規模の個人まりとした国際会議に出席するためである.出発の10日ほど前,念のためにとタイに係るネットを開いたら,ビザは必要ないが有効期限が6か月以上あるパスポートが必要との注意書きがありあわてた.有効期限を確かめたらタイ滞在の最終日までに2,3日足りなかったのである.前にしらべたとき,期限は9月だから十分と安心しきっていたのに,まさか6か月の条件があるとは夢にも思わなかった.気づいたのは夕方3時過ぎ,大急ぎで前に余分に撮っていたパスポート用写真他必要書類を用意し,横浜市中区にあるパスポートセンターに駆け付けた.受付締め切り時間の445分に滑り込みセーフで最後の一人としてもうほとんど人のいない窓口で受け付けてもらえた.「写真は3か月以内の撮影ですね」と聞かれたの,すかさず「はい,そうです」と答えた.実は2, 3年前のものであるが,そんなに顔つきは変わっていないだろうと勝手に考え返事をしたのである.受け取りまでには数日要するが,かろうじて出発の前々日で間に合った.危ないところだった.間に合わなければ妻の分と合わせ,航空券,あらかじめ払い込んでいた学会参加費,ホテル代等すべて無駄になるところだった.私のこれまでの30回近い海外旅行には何かしら失敗が付きまとうが,いつも幸運に恵まれ何とか乗り越えてきた.まかり間違えば命取りになるかもしれなかった場面を未然に防げたこともあった.今回の他の失敗は出発が羽田空港,帰りは成田空港だったが,どちらも羽田と勘違いし,YCATで割引となる往復のバス切符を購入したことだった.帰りに払い戻しを要求したら手数料を引かれ戻ってきた.
 その昔は国内旅行も命がけだった.いつ追剥や山賊に出会うかもしれなかったし,衛生状態は悪く,病気になっても近くに医者がいるとは限らなかった.いま,国内旅行は全く安心しきってどこにでも行くことができる.しかし,残念ながら海外旅行ではそうとはいかない.失敗したとき,トラブルに巻き込まれたとき,これを解決するには,大げさに言えばこれまの人生で体得してきたあらゆる知恵を総動員しなければならない.運も左右しようが,持っている引き出しの数が多いに越したことはない.
若者の内向き志向が言われて久しい.国内にいれば安全,あえて危険な目に合うかもしれない海外にまで行きたくないのである.商社に就職した社員が面接試験ではどこにでも行きますと言ったのに,いざ海外赴任を打診されると尻込みする場面が多いと何かで読んだことがある.外務省の職員でも同様の傾向とか,まさにブラックユーモアである.これではわが国の将来が危ない.
さて,バンコクである.気温は連日35℃前後とあらかじめ承知していたが,横浜では未だ冬の服装である.でも逆でなくて良かった.その場合は衣類等で大きな荷物になる.学会会場はAVANI Riverside Bangkok Hotelという1年ほど前にオープンした高級ホテルで我々もここに泊まった.未だ,知名度が高くないようでタクシーに乗るとき運転手に確かめると「分かる」と自信ありげに返事をしたのに3, 4所のホテルを巡ったのちようやくたどり着いた.名前のごとくチャオプラヤ河という幅4-500 mの大きな河のほとりに立つホテルの20階の部屋をあてがわれた.ここからは雄大な風景が眺められた.

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タイは仏教の国である.ホテルの従業員は男女を問わず,客とすれ違う時,この人形のように手を合わせ,にこやかに軽く会釈をする.私たちはこれに会釈をするだけだったが,数日滞在しているうちに手に荷物を持っていないときは,こちらも手を合わせるようになった.ホテルの対岸が繁華街や観光地が多かったから,どこのホテルも1時間に1, 2回,無料で自家用の舟を出し,客を乗せて往復していた.片道,1520分かかった.
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ある日,有名な王宮を訪れた.ここは王室関係の施設なので,肌や体の線などが露出するような服装,サンダル等では入場できない.入り口に服装をチェックする係員がいた.タイ人や海外の観光客の入場者が途切れることなく,行列が数100 mも続いていた.中にはいくつかの美しい建物があった.壁面も色とりどりのセラミックスや貝殻などで覆われていた.そのいくつかの写真を示そう.
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きりがないからこの辺でやめるが,食べ物,果物がおいしく,親日的で人々穏やかで居心地の良い国だった.