2016年8月 池の鯉,その後

20168月 池の鯉,その後
 
 2年前 (20147),厚木にある我が家の庭の池の由来とそれまでに飼った錦鯉のこと,池の水漏れを止める苦心,水漏れがようやく止まったので,鯉を3匹入れたところ,1匹が死んで2匹になったところまでを述べた.以下にその後の経過を述べよう.その年,お盆に帰省した折,2匹を買い足し,4匹にしようと思っていたところ,間もなく残りの2匹も死んでしまった.セメントから出たアルカリ成分が悪さをしたのだろうか.もうかわいそうだから飼うのをやめなさいときつく妻に言われたが,これを無視,性懲りもなくまた帰省の折,4匹購入してきた.紅白,大正三色,黄金,白銀である.普段は横浜にいるので,一週間ごとに土曜日に厚木に行くとまず池の鯉の有無を確認する.池の中に埋め込んだ岩の陰に彼らの姿を確認するとホッとする.早速,餌をやる.一週間に2日間しか餌を与えられないのはかわいそうであるがやむ負えない.それでもけなげに生きている.ところが,20152月のある日,鯉がすべていなくなっていた.洗濯ものを干していた隣の奥さんから「そういえば先日白い大きな鳥が池に入っていましたよ」と聞かされた.シラサギの仕業である.家から1 kmほど離れた荻野川から飛んできたのであろう.この川にはシラサギ,カワセミカルガモカイツブリなど様々な鳥がいる.彼らも生きるのに必死である.シラサギはしめしめと池の鯉を失敬していったのであろう.20年ほど前,まだ厚木に常駐していたころは犬を飼っていた.これが猫,ハクビシンや鳥など鯉の天敵を追い払っていてくれた.水温も温んだ4月,トシラサギ対策のため見栄えは悪いが池の上に目の粗い緑色のナイロン製のネットを張った.妻はみっともないと言ったが背に腹は代えられない.何もいない水だけの池は寂しい.帰省した折,また,3匹購入,宅急便で送ってもらった.紅白,大正三色,黄金である.ところが,5月,紅白がいなくなった.また妻に何か言われるかと予測し,このことは頬かむりし2匹を追加した.紅白とあと1匹は黒,橙,白の混色である.その後,1年以上経過したが,4匹は健在である.一週間に2日間だけの給餌であるが,だいぶ大きくなった.土曜日,厚木に着くとすぐ池を覗く.4匹を確認すると一安心.ただし,彼らは非常に用心深い.こちらが少しでも物音を立てるとさっと岩陰に隠れる.今は夏,ホテイアオイが繁茂し隠れ場も多くなっていて,安心しているようである.
 錦鯉はわが郷里,小千谷の特産である200年ほど前の江戸時代,冬の蛋白源として田んぼの湧水で飼っていた黒鯉に突然変異で色が付き,これを長年にわたって注意深く選別,交配し飼育しているうちに今日のような見事な錦鯉に変身したのだそうな.一匹,数百万円もする見事な鯉もいる.毎年,春,秋に品評会が開かれ,全国や外国の愛好家たちも買い付け,見物に現れる.小千谷や山古志の原産と思われていたが,遺伝子を調べたところ,中国にルーツのあることが最近判明したとか,息子が言っていた.彼も鯉気違い,何とか自分の家の池で孵化させたいとこの春,私と一緒に帰省した際,鯉の専門店でそのための治具を何やら購入していった.